Japanese
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研究と報告
脳血管障害における Motor Impersistence―そのリハビリテーションにおける意義
Motor Impersistence in Cerebrovascular Accident: its Significance in Rehabilitation.
山永 裕明
1
,
服部 一郎
2
Hiroaki Yamanaga
1
,
Ichiro Hattori
2
1熊本大学第一内科
2長尾病院
1The First Department of Internal Medicine, Kumamoto University Medical School.
2Nagao Hospital, Fukuoka.
キーワード:
脳血管障害
,
motor impersistence
Keyword:
脳血管障害
,
motor impersistence
pp.129-132
発行日 1979年2月10日
Published Date 1979/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104112
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まえがき
脳血管障害(以下,CVA)で脳波や知覚を検査する時,凝視や閉眼維持が困難な例を見る.これは随意的な動作の維持が不能という点で1956年Fisher1)はMotor Impersistence(以下,MI)と命名し,命令による閉眼,舌挺出や凝視の維持不能,握力計保持不能,息止めや深呼吸の困難なことをあげ,その中核は閉眼と舌挺出維持の不能にあるとした.著者らもCVAで凝視麻痺に閉眼維持不能が伴うことに気付き,その意義についてリハビリテーション関係の文献を探す内にZankel2)が単にImpersistenceとし,リハビリテーション阻害因子の一つにあげているが,具体的な説明がなく,疑問に思っていた.その折,村松の来訪をうけ平井ら3)がすでに詳細な研究をすませ,MIの責任病巣を劣性半球のArea6,8を含む領域中,中大脳動脈灌流域で,これと前大脳動脈灌流域との境界に近い領域と推定されたことを知ると共に,論文発表前にも拘らず多くの資料と共に教示をうけた.
そこでMIのリハビリテーション(以下,リハビリ)における意義について調査を行い,若干の知見をえたので報告する.
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