Japanese
English
特集 高次脳機能障害(その2)
失読と失書―日本語の文字体系との関連を中心に
Alexia and Agraphia: Some Remarks Focussed Mainly to the Kanji-Kana Problem.
大東 祥孝
1
Yoshitaka Ohigashi
1
1京都第一赤十字病院精神神経科
1Department of Neuro-Psychiatry, Kyoto First Red Cross Hospital.
キーワード:
alexia
,
agraphia
,
Kanji-Kana problem
Keyword:
alexia
,
agraphia
,
Kanji-Kana problem
pp.689-696
発行日 1983年9月10日
Published Date 1983/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105019
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はじめに
失読と失書は,脳病変に基づく後天性の書字言語障害のうち,要素的視覚障害や要素的運動障害に基づかず,かつ意識障害や痴呆にも還元しえない局在価値のある臨床症状をさすが,これらはいずれも高次神経機能障害のなかにあって教育水準や文化水準などの影響を最も強くうけ易いものであるので,その存否の判定にあたっては当然のことながら慎重でなくてはならず,また病状やその回復に対する患者の構えには大きな個人差のあることをも配慮することが望まれる.ここでは主に,日本語の文字体系との関連(漢字・仮名問題)を考慮しつつ,失読と失書の鑑別診断について述べる.
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