Japanese
English
特集 脳性麻痺の在宅リハビリテーション
成人脳性麻痺の家庭生活および社会生活
Dependent and Independent Activities of Adult Cerebral Palsy in Community.
花岡 俊行
1
,
辰巳 三代子
2
,
山本 玄務
2
Toshiyuki Hanaoka
1
,
Miyoko Tastumi
2
,
Genmu Yamamoto
2
1大阪市身体障害者更生相談所
2大阪府立身体障害者福祉センター
1Osaka Municipal Welfare Center for The Physical Handicapped.
2Osaka Prefectural Rehabilitation Center for Physically Handicapped.
キーワード:
成人脳性麻痺家庭
,
社会生活
Keyword:
成人脳性麻痺家庭
,
社会生活
pp.873-878
発行日 1981年11月10日
Published Date 1981/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104641
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いとぐち
成人脳性麻痺の社会適応はむづかしい多くの問題を抱えている.学校や施設での指導や訓練を終了し,家庭を通じて社会に復帰した脳性麻痺者が,現実にどのような生活を営み,社会の中でどのように位置づけられているかを知ることがこの研究の目的である.
脳性麻痺の全人生のリハビリテーション計画に必要な情報であり,またあまりよく知られていない弱点でもある.
施設の退所者を中心にアンケートにより調査した.今回の調査にあたり,予め成人脳性麻痺の社会的自立のリハビリテーションのモデルを仮定した(図1).
障害に閉じ込められた潜在能力あるいは残存能力が,どのように開発され,身辺動作の自立から家族や社会の援助を受けて,社会集団に適応してゆくのか,図解で示すように,限られた能力がさまざまな要素によって影響をうけながら変化し,制御されて発展する一連の過程を設定してみた.段階的なコミュニティへの参加が仲間づくりを促進する.このようにして,1)集団の中で社会性の単位である対立性と相補性が生れ,2)生活能力の完全さの減少と,集団としての生産効果を高めるという2つの社会集団の生態学的原理にどのように類似しているかを考察する.社会の中でのグループダイナミックスが障害を補い,潜在能力の活用をさらに助長するフイードバック系の役割を果しているかもしれないと仮説をたて調査をすすめた.
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