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特集 移動手段
障害児の通学手段―横浜市の現状と問題点
Transportation to School for Physically Handicapped Children.
大川 嗣雄
1
Tsugio Ohkawa
1
1横浜市大病院リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation Medicine, Yokohama City University Hospital.
キーワード:
通学バス
,
バギー
,
車椅子
Keyword:
通学バス
,
バギー
,
車椅子
pp.775-781
発行日 1981年10月10日
Published Date 1981/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104622
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はじめに
昭和54年度の全員就学,養護学校義務化の実施以来,多くの問題が浮び上っている.しかし,いわゆる学校に通っていなかった,あるいは通えなかった多くの障害児が学校に通えるようになったという現実は否定出来ない.
しかし,地方においては多くの養護学校の生徒は,寮に入らざるを得ない現状が指摘されている.その例として,長崎県では養護学校の生徒の僅か5%が自宅から通学しているにすぎないといわれている.
幸いにも横浜市の場合には,昭和50年に市立の肢体不自由児養護学技が設立され,さらに訪問教育にとどまっていた児童に対しても,分校という形で通学の機会ができるようになった.これ等の学校はいずれも通学を原則としている.しかし,現状では図1に示すように,市内には肢体不自由児の養護学校が2校,重度児を対象とする分校が4校しかなく,これ等の学校へ障害児をいかにして安全に通学させるがか大きな課題である.我々は,市立養護学校開設準備の段階から,医学的リハビリテーションの立場から多くの問題と取り組んで来たが,障害児の通学という点についても大きな関心を払って来た.
そこで,横浜市における肢体不自由児養護学校とその分校における通学の現状とその問題点,今後のあり方についてのべたい.
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