Japanese
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特集 上位頚椎疾患―その病態と治療(第23回日本脊椎外科学会より)
脊髄灰白質に発生するシナプス性電場電位に対する脊髄後方圧迫の影響―白質を経由する活動電位との比較
Effects of Spinal Compression on Synaptic Field Potentials in the Gray Matter and Spinal Cord Evoked Potentials in the White Matter
池上 仁志
1
,
今給黎 篤弘
1
,
三浦 幸雄
1
,
内野 善生
2
Hitoshi Ikegami
1
1東京医科大学整形外科学教室
2東京医科大学第二生理学教室
1Department of Orthopedic Surgery, Tokyo Medical College
キーワード:
脊髄誘発電位
,
spinal cord evoked potential
,
シナプス性電場電位
,
synaptic field potential
,
脊髄圧迫
,
spinal cord compression
,
ネコ
,
cat
Keyword:
脊髄誘発電位
,
spinal cord evoked potential
,
シナプス性電場電位
,
synaptic field potential
,
脊髄圧迫
,
spinal cord compression
,
ネコ
,
cat
pp.421-429
発行日 1995年4月25日
Published Date 1995/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901605
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抄録:末梢神経刺激時,脊髄前角細胞に発生するシナプス電位に起因する電場電位を指標に,灰白質の活動および脊髄圧迫時の灰白質の障害状況を検討した.
麻酔下または除悩した成猫を用い,第2頚髄後方より圧迫を加え,圧迫直下の脊髄灰白質の電場電位の変化を経時的に計測した.また細胞内記録を用い,指標とした電場電位の構成成分を検討した.その結果.脊髄圧迫に対し灰白質に起因する電場電位の振幅は,白質を経由する活動電位より早く減少することを見出した.さらに単シナプス性結合による電場電位の振幅の減少より,多シナプス性結合により発生する電場電位の振幅の減少が,早く鋭敏に減少することを見出した.今後臨床における脊髄圧迫症の病態生理の解明,脊髄灰白質機能モニタリングの一助になると思われるので報告する.
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