巻頭言
今年は市民啓蒙に重点を
野村 歓
1
1日本大学理工学部建築学科
pp.3
発行日 1981年1月10日
Published Date 1981/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104466
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いよいよ国際障害者年の幕あけである.
年頭にあたり1981年が障害者はもとより,リハビリテーション関係者にとって意義のある,しかも充実した一年であることを願って止まない.
さて,わが国では昨年から既に総理府国際障害者年推進本部を中心に地方公共団体・学識経験者・障害者関連団体・民間有志が障害を持つ人々の社会への“完全参加と平等”という大きな目標の実現を目ざして会合を持ち,数々の意見,要望,提案がなされている.私にはこれを評価できる才覚も資格も持ち合せていないが敢えて不見識と失礼を承知のうえでひとこと云わせていただけるなら,全般的にいえることは,十分検討する時間的余裕がなかったせいか,いままで解決されない,もしくは現在検討中の行政課題であるとか障害者関連団体の要望の羅列の感が強い.これらはもちろん貴重な資料となり得るが,あまりにも数多くの課題がありすぎ,どれひとつとっても重要であるために逆に焦点が定まらない.
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