読者からの手紙
すぐれた技術を持つ啓蒙家に
Q生
pp.9
発行日 1962年7月10日
Published Date 1962/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202603
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一昨年国保の保健施設のあり方,保健所との協力のあり方について,いわゆる共同保健計画という考え方ができてから,私は保健婦さん方と接触する機会を多くもつようになりました.この一つの独立した技術者に対し,従来は外から眺めていた立場であつたものが,もつと深く協力する立場に立つたときにいろいろと感じさせられることがありましたので,それについて一,二報告してみます.
まず一番感じたことは,保健婦というグループは衛生事業にたずさわつている人々の中で,いや日本中のあらゆる職種の中で,最も真面目で,献身的なそして人間愛に溢れた人々であろうということです.このことは本当にすばらしいことです.しかしその反面,このことに結びつきやすい問題が含まれているような気がします.例えば,この献身的な気持が,少ない給与でもよいとか,勤務や住居などの条件がきわめて不完全な僻地とか離れ島に行くとかいうことが当然のように周囲にも,自分自身にも感じさせていることがありはしないかということです.
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