巻頭言
リハビリテーション医のスペシャリティー
大橋 正洋
1
1神奈川県リハビリテーションセンターリハビリテーション科
pp.943
発行日 1980年12月10日
Published Date 1980/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104433
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医療のなかにおいてリハ医の果たすべき役割りとは何であろうか.その解答として,私が好んで引用しているのが,Licht全集,第10巻“Rehabilitation Medicine”の第1章の中でStolovが述べている言葉である.
すなわち,“従来の医師は受動的な存在で,患者に問題を持ちかけられたときにだけ反応し,その訴えに応じた治療のみを行っていた.しかし,リハ医は違う.リハ医は能動的な存在であらねばならない.その役割りは,先ず,患者が最大限の機能を発揮しようとする際,何が障害(Obstacle)となっているかを見つけ出し,その障害の実態を患者に認識させ,そして患者が夫々の弱点を克服してゆくことができるように動機づけてやる点にあるのである.それは,ちょうど壕に橋をかけて,障害という城のなかに幽閉されようとしている患者を助け出す仕事にも似ている”という言葉である.
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