Japanese
English
特集 頸椎の異常とリハビリテーション
頸椎疾患に対する観血的治療
Operative Treatment for Cervical Spinal Lesions.
平林 洌
1
Kiyoshi Hirabayashi
1
1慶応義塾大学医学部整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, School of Medicine, Keio University.
キーワード:
頸椎疾患
,
観血的治療
Keyword:
頸椎疾患
,
観血的治療
pp.621-628
発行日 1980年8月10日
Published Date 1980/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104370
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いとぐち
「脊椎のうしろには脊髄がある」とは,わが国の脊椎・脊髄外科の大先達であり,著者の恩師に当る岩原寅猪名誉教授の銘言である.解剖学的には至極当り前のことをいい表わしているに過ぎないが,反面一歩誤まれば取りかえしのつかない悲惨な結果を招く脊椎手術の怖しさを教える金言,警句でもある.
麻酔,輸液などの全身管理学の進歩,骨セメント,ハリントン器具,halo装置などの内・外固定法の発達,さらにはair drill,電気メス,照明装置や手術用顕微鏡などの手術器具の開発によって,従来は手術不能であった疾患も最近では可能となり,その上それらの治療成績も飛躍的に向上している.
このようにしてみる時,以前のように患者がむやみに「背骨の手術はこわい」として避けることは将に愚ろかではあるが,一方脊椎外科医にとっては脊椎,中でも頸椎の手術は細心,最大の注意を払っても払いすぎることのない手術であることも確かである.
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