Japanese
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講座
リハビリテーションにおける治療(4)―脳性麻痺児の食事訓練
Rehabilitation Treatment (4): How to Guide Independent Feeding of Cerebral Palsy Child.
江口 壽榮夫
1
,
住吉 正行
1
,
浜崎 丈治
1
Sueo Eguchi
1
,
Masayuki Sumiyoshi
1
,
Jöji Hamazaki
1
1高知県立子鹿園
1Kojikaen, Kochi Prefectural Hospital for Crippled Children.
キーワード:
正常化訓練
,
代償機能
Keyword:
正常化訓練
,
代償機能
pp.307-312
発行日 1979年4月10日
Published Date 1979/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104144
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Ⅰ.正常の食事動作
1.正常児の食事動作の発達
人間の胎児では三叉神経領域が一番早く発達し,胎生3ヵ月の頃にはすでに口唇の開口運動と嚥下運動が起り始め,胎生5ヵ月児では羊水を実際に嚥下することが分っている1,2).このように出生までに,吸乳,嚥下,それに呼吸といった生命活動をコントロールする反射メカニズムが十分に確立されているのである3).従って出生直後の新生児でも,乳首や哺乳ビンを探索反射rooting reflexで捜し,吸乳反射sucking reflexと嚥下反射swallowing reflexでミルクを飲むことができ,数日後には十分な量のミルクを飲めるようになり,母乳にしろミルクにしろ,発育に必要な栄養素となることができるようになる4).
生後3~4ヵ月すると,スプーンで与えられる液体を摂取するのを教え始められてよい時期であるが,一方で,上肢の発達と共に手で物を把み,それを口に入れることを覚え,5~6ヵ月では,哺乳ビンを両手で支えて飲んだり,手に持った菓子を口に入れてしゃぶり始める.またこの頃には,乳児を坐らせれば前方へのパラシュート反射(保護伸展反射)でバランスをとろうとし,さらに側方へのパラシュート反射が出てくる6~7ヵ月になると,もっと安定した坐居保持となり,坐らせれば手で支えなくて遊ぶことを始める.噛む動作chewingも始まる.
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