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講座
リハビリテーション医のための循環器入門(4)―高血圧症およびそれに伴う心疾患
Cardiology for Rehabilitation Doctor (4): Systemic Hypertension and Hypertensive Heart Disease.
土肥 豊
1
Yutaka Dohi
1
1埼玉医科大学第二内科
1Department of Internal Medicine, Saitama Medical School.
キーワード:
高血圧症
,
高血圧性心不全
Keyword:
高血圧症
,
高血圧性心不全
pp.301-306
発行日 1979年4月10日
Published Date 1979/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104143
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Ⅰ.一次性高血圧と二次性高血圧
高血圧は大きく分けると,単に収縮期圧のみ上昇するものと,収縮期,拡張期ともに上昇するものとに分けられる.前者は,甲状腺機能亢進症とか,大動脈弁閉鎖不全などのように心拍出量の増加した場合とか,大動脈硬化症の場合にみられる.後者すなわち,収縮期,拡張期ともに上昇する高血圧症が通常の高血圧であるが,これにもその5~10%には,特定の疾患に起因して生ずる高血圧症が含まれており,通常これを二次性高血圧という.二次性高血圧症には表1に示すような多種類の疾患が含まれる.これらの二次性のものを除外してはじめて一次性すなわち本態性高血圧と診断される.言いかえれば,本態性高血圧症はあくまでも除外診断の上に成り立っているのであるから,けっして血圧測定のみによって本態性高血圧症ときめつけるようなやり方は慎まねばならない.高血圧症の診断は,まずこの二次性のものの除外からはじまる.
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