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呼吸器
古賀 良平
1
1国立療養所東京病院理学診療科
pp.63-66
発行日 1978年1月10日
Published Date 1978/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103925
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呼吸器は外界に直接露呈している唯一の主要内臓器官であるため,大気汚染などの公害をまともに受けやすい.また人口の老齢化に伴い,肺の老化現象も必然的に問題となる.最近COLD(Chronic Obstructive Lung Discase)がクロ一ズアッブされてきたが欧米先進国にならってわが国でも中年以降の労働能力を失う主要疾患として心疾患と並んで社会的関心のまととなりつつある.呼吸器は呼吸機能という直接生命に結びつく臓器であるだけに,その管埋にひとたび破綻を来たせば死に至る危険が待っている.気管内全身麻酔を行うようないわゆるmajor operationでは術後肺合併症のため思わぬ転帰をとることがあるので細心の注意が喚起されねばならない.また筋神経疾患の死因の主なものは肺合併症である.このようにみてくると呼吸器疾患のリハビリテーションはまさに呼吸管理の医学と考えてよい.しかしわが国では今日までこの方面の関心は極めて薄く,積極的に実施している施設はごく僅かである.今後は総合病院といわず,リハビリテーション施設においても,そこに働く者が少しでも呼吸管理の理論と実際を心得ていたならば,どんなにか患者の呼吸を楽にし救命の実を挙げられるかわからない.そこで呼吸器に関するもので読んで参考になる本ということになるが,先ず呼吸の解剖・生理に関するものと,呼吸管理に関するものと,実技に関するもの(内科的疾患と外科手術)に分けられるように思う.
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