Japanese
English
特集 リハビリテーションと疲労
呼吸器疾患と疲労
Respiratory Disease and Fatigue.
古賀 良平
1
,
町田 和子
2
,
川辺 芳子
2
Ryohei Koga
1
,
Kazuko Machida
2
,
Yoshiko Kawabe
2
1国立療養所東京病院理学診療科
2国立療養所東京病院呼吸器科
1Tokyo National Chest Hospital.
キーワード:
呼吸筋
,
呼吸筋疲労(呼吸筋不全)
,
呼吸筋力強化
Keyword:
呼吸筋
,
呼吸筋疲労(呼吸筋不全)
,
呼吸筋力強化
pp.603-609
発行日 1987年8月10日
Published Date 1987/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106570
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はじめに
疲労というものの概念がはっきりしない上で,呼吸器疾患と関連のある疲労とその類似の事項について取り上げ模索してみたい.呼吸器疾患(循環器疾患でも)では“息切れ”“呼吸困難”とくに“労作時呼吸困難”などが直ぐ問題になる.また「精が切れる」「根が続かない」とも表現され,「直ぐ疲れる」「耐久性がない」なども包含される.そして実際には,恐怖が先立ち,やる気をなくすし,やっても永続きせず,日常生活動作,活動能力が極端に制限されることになる.また疲労とは過労の結果なのか,過労への警告なのか,運動療法,リハビリテーション行う上でひとつの重要なポイントである.呼吸器疾患では,確かに呼吸苦は症状であり,指標である.しかし疲労とはさらに包括的であり,機能的のみならず,意欲など精神的要素も大きく関わってるように思う.かつて結核の再発と疲労との関係をフリッカー値で測定したこともあったが,再悪化・再排菌などとの関連を見出し得なかった.それ程,疲労とは全人的なもので漠として把え難いものである.そこで,今回は,呼吸器疾患の疲労とは何か,息切れ・呼吸困難の概念,呼吸不全状態でのADLと運動耐容能との関係,呼吸筋,呼吸筋力の減弱,呼吸筋疲労,呼吸筋力強化法などを中心として述べることにする.
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