病院の新しい職種
呼吸療法士
古賀 良平
1
1国立療養所東京病院外科
pp.60
発行日 1975年7月1日
Published Date 1975/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205666
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呼吸不全患者の増加
わが国における肺結核の減少は著しいものがあるが,一面,非結核性呼吸器疾患の増加は年を追って目立ち,特に大気汚染,環境汚染などによる呼吸障害は大きな社会問題とさえなっている.欧米における慢性気管支炎・肺気腫・気管支喘息などの慢性閉塞性肺疾患(C.O.L.D)は心臓疾患に次いで初老期以上の労働能力を失う疾患として第2位にランクされ,つとに注目されている.たとえば,米国においては,年間約45,000の新患が生じているとさえいわれる.この傾向はわが国においても近く招来することは必至である.その他,手術後や外傷などに伴う急性呼吸不全の治療も難しいもののひとつである.
このような呼吸不全患者の苦痛を軽減し,リハビリテーションをはかることは呼吸管理医学として,直接生命に結びつく最も重要な点である.このことは看護婦のバイブルともいうべきヘンダーソンの「看護の基本となるもの」の第1が「患者が楽に呼吸できるようにする」ということでも十分肯けることである.
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