Japanese
English
特集 肩関節の理学療法とリハビリテーション
肩関節の機能解剖と運動学的特性
Functional Anatomy and Kinematic Specificity of the Shoulder Joint.
佐野 精司
1
,
菅原 黎明
1
Seiji Sano
1
,
Reimei Sugahara
1
1日本大学医学部整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Nihon University School of Medicine.
キーワード:
肩の骨・関節
,
肩の運動
Keyword:
肩の骨・関節
,
肩の運動
pp.634-643
発行日 1977年9月10日
Published Date 1977/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103840
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
肩の局所および機能解剖を理解するためには,狭義の肩関節であるglenohumeral jointのみではなく,鎖骨,肩甲骨および上腕骨を含めた複合体としての肩を知る必要がある.これら肩運動の際には,躯幹より接続された各部分が,多くの筋群の活動と相俟って,それぞれ一定のリズムをもって動き,その目的動作を遂行している.鎖骨は胸骨との間で胸鎖関節を,肩甲骨との間では肩鎖関節を形成している.肩甲骨は胸郭との間で,機能的な意味から名付けられているscapulothoracic jointで移動するとともに,上腕骨との間では狭義の肩関節を形成している.かような各関節は,かなり大きな可動域をもっており,総合された,いわゆる肩運動は,自由上肢の名称にふさわしい可動域を持っている.巧緻にして繊細な機能を有する手は,これらの肩運動と肘運動をコントロールすることにより,日常の合目的動作が可能となる.
以下,肩の骨,関節ならびに肩の運動について述べてみたい.
Copyright © 1977, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.