慢性関節リウマチの治療効果

Effect of Rehabilitation in Rheumatoid Arthritis.

はじめに

　慢性関節リウマチ（以下，RA）患者は，全国で数十万といわれ，手足の変形や拘縮で，リハビリテーション（以下，リハ）を必要とする患者の数も，いわゆる難病に指定されている他の諸疾患の何倍にもおよぶと思われる．

　しかし，リハを行なっている病院の数は少なく，リハ病院ですら，実際にRAの変形や拘縮に積極的に取組んでいるところは，数える程しかない．またリハの歴史も浅いので，RAの長期にわたるリハを経験した医師は何人もいないと思われる．

　リハを行なわない時のRAの自然経過を知ることは，リハ効果の判定，外科的療法の効果を判定する意味で非常に重要であり，このためには長年の経験を必要とする．

　残念ながら，私のところでは，5年以上たった手術成功例がないので，これに関しては他の報告者の発表を期待するが，以下RAの自然経過，保存的リハの効果，追跡調査の結果，手術失敗例，術後のリハの必要性等について，症例を紹介して報告する．