Japanese
English
特集 義肢・装具ハンドブック
Ⅳ.体幹・下肢装具
体幹装具
Spinal Orthosis
渡辺 英夫
1
Hideo WATANABE
1
1熊本大学医学部整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Kumamoto University Medical School.
pp.878-890
発行日 1978年11月15日
Published Date 1978/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101814
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
脊柱は半可橈性の棒と考えられ,屈曲力,ねじれ,剪力,軸圧縮力が複雑にからみ合って運動している.体幹装具はこれらの動きを皮膚を介してコントロールしようとするものであり,単純な3点圧迫の原理のみの導入では不十分である.さらに腹腔内圧上昇による脊柱支持力増大も重要視されており,体幹装具の理論は簡単でない.
しかるに,これらの生体力学的研究は未だ少なく,実際の装具装着効果の科学的検討も不十分で,患者に対して自信ある説得ができない有様である.
しかし整形外科医が処方する義肢装具のなかで体幹装具の数は圧倒的に多く,またこの装具は疼痛や不快感を減少するのに実際に効果があるので,なおざりにできない重要なものと言える.
体幹装具に関する著書や文献は最近増えてきており,優れたものも少なくないので,個々の装具の構造や働きについての詳細は,そちらを参考にしていただき2,4,6,9,12,13,14,17,18),本論文では体幹装具の目的,名称,分類,代表的装具と適応,問題点などに焦点を絞りたい.
Copyright © 1978, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.