Japanese
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研究と報告
Ergonomics Approachによる身障ドライバー用車椅子の設計研究
Study on the Design of the Portable Wheelchair for the Handicapped Driver with Ergonomics Approach.
古賀 唯夫
1
Tadao Koga
1
1九州芸術工科大学芸術工学部工業設計学科
1Department of Industrial Design, Kyushu Institute of Design.
キーワード:
身障ドライバー
,
移乗動作
Keyword:
身障ドライバー
,
移乗動作
pp.449-458
発行日 1977年6月10日
Published Date 1977/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103802
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はじめに
都市は健康な人々にとっても,身体に何らかの障害をもっている人々にとっても,日常生活の場であると共に教育の場であり,労働の場であり,人々とのまじわりの場でもある.都市は人間の文化的欲求を満す機能を集中的に効率よく持っている.移動のための身体的機能を失っている障害者にとっても都市は自立のための可能性を最大限に有しているといってもいい過ぎではない.コロニーという隔離された状態から都市の中への生活圏の拡大という傾向は,都市空間が自立のための空間であるという可能性を示しているのである.
このためには身障者のためのmobilityの保証が得られなければならない.車椅子を使用する障害者にとって最も有効で自立の可能性を高めるものは自動車等のtransportationの利用である.しかしながら都市空間でのmobilityの保証にはまだ多くの障害(barriers)がある.barriers freeのためには交通施設,移動空間,移動機器・装置の改善,改良といったいろいろのレベルでの問題が混在している.
身障者の都市空間でのmobilityの保証のためには,都市空間を総合的に見直す必要があると同時にこのような各領域にまたがる総合的な計画と平行して,一方では個々の問題について道具レベルからの解決も要求される(図1).
道具レベルでの解決は点的な解決策である.しかしながら身障者の生活に基本的に密着し,自立の可能性を高める方法ので最短距離にあるものはやはり彼らをとりまく道具群に関する配慮である.このような点的な解決が重なりあって面的な解決となり,面が重なりあって総合的な解決ともなるものである.
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