とびら
日常生活動作を考える
上田 敏
1
1東大病院リハビリテーション部
pp.170-172
発行日 1975年4月15日
Published Date 1975/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518100982
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日常生活動作(activities of daily living,ADL)をどうとらえるかについて現在いろいろな混乱があるように思われる.その混乱の父通整理をしようとして,リハビリテーション医学会の評価基準委員会(今田拓委員長)が,関節可動域表示基準の決定にひきつづいて昨年からADL評価の問題にとりくんでいるが,まず「ADLとは何か」という根本問題で各委員の意見がわかれ,現在各人が定義の案を出し,それをめぐって議論を深めているところであるという.問題の難かしさを端的に示すような話だが,わが国の医学界で,基本的な概念について,そのフィロソフィーにまでさかのぼって議論することが極めて少ないだけに貴重な努力であり,ぜひ時間をかけて問題点を掘り下げていただきたいものである.
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