Japanese
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講座
運動の制御(4)―アルファ・ガンマ連合と随意運動
α-γ Linkage and VoluntaryMovement.
本間 三郎
1
Saburo Homma
1
1干葉大学医学部生理学教室
1Department of Physiology, School of Medicine, CibaUniversity.
キーワード:
アルファ・ガンマ連合
,
伸張反射
,
負荷補償
,
Ia発射
,
α運動ニューロン
,
γ運動ニューロン
Keyword:
アルファ・ガンマ連合
,
伸張反射
,
負荷補償
,
Ia発射
,
α運動ニューロン
,
γ運動ニューロン
pp.577-583
発行日 1976年7月10日
Published Date 1976/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103592
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ある運動を行うと大脳で意図する.小脳と大脳基底核はその指令を受けて,運動を遅滞なく,巧みに行うよう,そこに貯えられている体験された情報と照合して運動遂行のプログラムを組む(このことについては運動の制御(1)―小脳の果たす随意運動の制御―を参照).そのプログラムは視床を介して大脳に戻り,大脳皮質から脊髄への路を経て筋に至り,これを収縮せしめる.このようにして発現した筋張力が意図した運動と同じであったか,あるいはその時の末梢の情況に適合しているかどうか.もしそうでない場合には末梢での調節機構がそのことを確かめ,力が不足しているなら筋張力を再生成re-establishingするよう働く.この種の末梢における調節機構の働きにより筋張力の安定化stabilizingが計られている.
末梢での調節機構の一つに伸張反射stretch reflexがある.これは筋紡錘muscle spindleという長さの受容器の反応により活動が始まる.筋紡錘は筋中に数十個含まれており,その筋の長さを感覚している.筋が収縮し短くなると筋紡錘はたるみ,そこからの筋の伸びを感覚することができなくなる.随意運動により筋が収縮すると同様のことが起こる.収縮に合わせ筋紡錘のたるみがなくならない限り,随意運動時伸張反射が働かないことになる.収縮に合わせて筋紡錘の感度も調整されていなくてはならない.
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