Japanese
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講座
運動の制御(5)―相反性支配概論
The Principle of Reciprocal Innervation.
本間 三郎
1
Saburo Homma
1
1千葉大学医学部生理学教室
1Department of Physiology, School of Medicine, Chiba University.
キーワード:
相反性神経支配
,
伸張反射
,
随意運動屈筋反射
,
抑制
,
返回抑制
,
抑制性介在ニューロン
Keyword:
相反性神経支配
,
伸張反射
,
随意運動屈筋反射
,
抑制
,
返回抑制
,
抑制性介在ニューロン
pp.653-659
発行日 1976年8月10日
Published Date 1976/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103608
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はじめに
運動する際の筋活動とそれを円滑にするための拮抗筋の抑制は,一部末梢における反射機構によって行われるという今日での考え方は,Sherrington(1906)によって確立されたといわれている(Denny-Brown,1939).筋収縮これを筋の興奮excitationというならば,拮抗筋の活動を反射性に抑制inhibitionすることで,両者の共同動作co-ordinationにより運動は行われている.抑制現象ということについては迷走神経の刺激で心臓の活動が抑制されたり,皮膚刺激で抑制が除去されて運動が起こったり,大脳皮質の刺激で筋に弛緩がみられたりする.これら古くから行われてきた実験成果により,興奮と抑制を基本としてSherringtonは相反性神経支配reciprocal innervationの概念を確立した.この相反性神経支配という用語はSherringtonにより1897年に名づけられたとされている.
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