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編集後記
大井 淑雄
pp.334
発行日 1976年4月10日
Published Date 1976/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103539
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リハビリテーション医学における医学教育の問題を今月の特集としてとりあげた.平常顔も見知っており議論もよくしているので何を述べるかもおよその推測がつき,陳腐なものになるのを怖れたが,実際はかなり生々しい,激しいエネルギーを感じさせる文章が多かった,それでどちらかといえばほっとしているというのが実感である.
横山,土屋氏のリハビリテーション医学の哲学,歩みをはじめとして明石氏の教育の実践の場の紹介,大川氏の学生レポートなど,また上田氏の文章の中にある卒後教育の講習会など,年を追ってリハビリテーション医学の教育もコンクリートになって来ている.本邦のリハビリテーション医学がほとんど講座となっていないことが教育実施の上の大きな欠陥であり障壁となっているが,荻島氏のいうごとく,大体講座制そのものに問題があるのであって編集子も全く同感である.いずれにしても,諸外国からの直輸入から少しは独自の消化したプログラムをもって卒前卒後教育を行うようになって来たことが理解され,またその実践にあたって諸氏が苦心されていることが推察される.今回は若年のリハ医を志す人々の簡単な投稿を歓迎したが,考え方もまだ新鮮でわれわれの未だいろいろ足らない点を知り考えさせられた.このような若い医師のエネルギーを成功的な実績に導くために先輩諸氏のより一層の御指導を切望するものである.
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