Japanese
English
特集 身体障害者と移動手段
現用電動車椅子に関する考察
Explanation of the Commercially Avairable Electric Wheelchairs in Japan.
加倉井 周一
1
,
鈴木 実
1
Shuichi Kakurai
1
,
Minoru Suzuki
1
1東京都補装具研究所
1Tokyo Metropolitan Prosthetic and Orthotic Research Institute.
キーワード:
電動車椅子
,
移動手段
Keyword:
電動車椅子
,
移動手段
pp.561-574
発行日 1975年7月10日
Published Date 1975/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103371
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
1.はじめに
リハビリテーションの概念が広く一般社会で認識されるにつれて歩行不能または困難な障害者のための車椅子に対する見方も大きく変化し,これまでのように病院施設内にとどまっていた行動範囲も次第に社会生活全体に広がろうとしており,車椅子のための環境整備が大きなテーマとして取上げられようとしている.
一方,手動車椅子を全く操作出来ないか,あるいは著しく操作が困難な重度障害者のための電動車椅子は,従来わが国では価格が高くかつ公費支給が認められなかったこと,使用環境,さらには電動車椅子の機構そのものの問題点もあってほとんど実用普及化されていなかった.ところが最近数年間に国内のいくつかのメーカーが電動車椅子の開発・市販を行うようになってきたこと,また徐々にではあるが車椅子に関する基礎的研究が各地で行われるようになったこととあいまって次第に電動車椅子に対する関心が高まると同時に,公費支給を求める障害者からの要望が強くなってきた.東京都はこのような事態を重視し,電動車椅子を障害者の日常生活用機具として実用普及化する際に考えられる一連の諸問題を解明すべく「電動車椅子検討会」を昭和49年4月に発足させ,約1年間検討を重ねてきた.その調査結果はすでに発表されているが1),今回はその中から現在国内で市販されている各種電動車椅子についてわれわれが行った調査を中心に述べ,あわせて今後解決されるべき技術的側面およびメインテナンスに関するわれわれの見解を記してみよう.
Copyright © 1975, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.