Japanese
English
特集 身体障害者と移動手段
身体障害者のための地下鉄のシステム
Barrier-free Rapid Transit for Karasuyama Line.
陳 慧玉
1
Fui-yu Chen
1
1東京都老人総合研究所障害研究室
1Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology.
キーワード:
運輸機関
,
地下鉄
,
点字ブロック
,
情報伝達
,
垂直交通
Keyword:
運輸機関
,
地下鉄
,
点字ブロック
,
情報伝達
,
垂直交通
pp.549-559
発行日 1975年7月10日
Published Date 1975/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103370
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1.はじめに
障害者,市民団体を中心に,あるいは行政の一端として展開されてきた“障害者も住みやすい街づくり運動”は厚生省の福祉モデル都市の指定を実現させるなど,種々の成果を上げている.しかし,これらのモデル都市での改善は主に街路,建物に限られ,整備の実情も断片的で,部分的であることが指摘されている.例えば,横断歩道の段差は削っているが,階段で渡る歩道橋は依然として改善されず,また,一部の官公庁舎やデパートなどに車いす使用者用便所が設けられ,また専用駐車場から段差なしにエレベーターに乗れるなどの配慮がされているが,肝心のこれらの建物までに到達する運輸機関がまったく改善されていない.このように街づくりは障害者を含めて住みやすくなるにはまだまだ多くの問題が解決されていないのが実情であり,今後この運動を一層発展させるためにも,今行なわれているような部分的な,点的な改善方針を改め,都市全体を対象とし,交通システムも含め総合的に計画する必要がある.特に都市の動脈でもある交通システムが障害者も利用できることを前提に改善されて始めて,障害者の生活圏が拡大されうると同時に建築的障害を取り除いた街も動脈をつないだことにより,生きて機能することができる.
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