書評
花田 春兆著:いくつになったら歩けるの
渡辺 英夫
1
1熊本大学整形外科
pp.304
発行日 1975年4月10日
Published Date 1975/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103315
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著者の花田春兆氏は大正14年生れの脳性麻痺である,しかも重症のアテトーゼ型で,歩行不能であるばかりでなく食事をとるのも不自由で,ADLにも他人の手を要するような状態である.しかし実はその道では有名な俳人であり,中村草田男主宰の「萬緑」の同人で俳人協会の全国大会賞を得たこともある人である.更に身体障害者の同人誌「しののめ」の編集や福祉関係の単行本も数冊出しておられる才能豊かな人でもある.
この「いくつになったら歩けるの」という本は全国障害者間題研究会の「みんなのねがい」誌に1年半にわたって連載されたものをまとめたものであるが,著者の幼少児期の記憶から今日までの生き方の信条,更に身体障害者問題などが得意の俳句を所々に挿入しながら随筆風に書かれている.
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