特集 施設のあり方を考える
座談会:施設のあり方を考える―1974年3月22日,於医学書院
久保 義信
1
,
梶原 要
2
,
成田 稔
3
,
湊 治朗
4
,
上田 敏
5
1国立箱根療養所
2国立伊東温泉病院
3多麿全生園
4国立療養所西多賀病院
5東大病院リハビリテーション部
pp.651-662
発行日 1974年9月10日
Published Date 1974/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103196
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はじめに
上田(司会) 今日の座談会では,「施設のあり方を考える」という特集にあたって,施設の中でも,とくに医療と福祉との接点にあたっている国立の療養所,重度障害センター,温泉病院などで,日ごろから現場で非常にご苦労なさっている先生方にお集まりいただいて,日本のリハビリテーションの体系の中で,歴史的にもかなり貢献してきたし,また,特色ある地位を占めている療養所的な施設のあり方を中心にお話し合い願いたいと思います.
療養所関係の施設を考えてみますと,歴史的にみると,初めは収容であるとか,隔離であるとか,あるいは保養であるとかという性格をかなり持って作られているように思います.しかし,障害を持っている.病気を持っている人を入れているのですから,治療ということは当然伴っていたわけです.それが最近の趨勢として,医学の面の考え方も変わってくる,社会情勢も変わってくるということで,リハビリテーションが大きな課題になってきたという気がするんです.
そうしますと,初めからリハビリテーションの施設としてできたものと違って,このような移行にあたって,いろいろスムーズにいかない面があって,昔の面影が残っていたりして,おそらく先生方がかなりご苦労なさっておられるのではないかという気がするんですが,そのへんの問題からまずお話し合い願いたいと思います.
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