Japanese
English
展望
慢性閉塞性肺疾患のリハビリテーション
Rehabilitation of Chronic Obstructive Lung Disease.
谷本 普一
1
Hiroichi Tanimoto
1
1虎の門病院呼吸器科
1Department of Respiratory Disease of Toranomon Hospital.
キーワード:
慢性閉塞性肺疾患の概念
,
横隔膜呼吸
,
体位ドレナージ
,
携帯用酸素吸入装置による運動療法
,
肺理学療法の評価
Keyword:
慢性閉塞性肺疾患の概念
,
横隔膜呼吸
,
体位ドレナージ
,
携帯用酸素吸入装置による運動療法
,
肺理学療法の評価
pp.471-478
発行日 1974年6月10日
Published Date 1974/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103156
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まえがき
リハビリテーションに関する医学雑誌を通覧すると,脳神経疾患や整形外科的疾患が大部分を占め,呼吸器疾患に関するものはほとんど皆無に等しい.その理由として,肺に関するリハビリテーションについての臨床家の認識の不足と,その効果判定ないし評価がむずかしいことなどがあげられよう.
老齢人口の増加や環境汚染の悪化とともに,慢性肺疾患,なかでも慢性閉塞性肺疾患の増加が,医学的のみならず社会的にも問題となってきている.慢性閉塞性肺疾患は,素因,加齢,喫煙,大気汚染,感染など種々の内因・外因が複雑にからみ合って発症し,病勢が進展する.したがってその治療もさまざまなものがあるが,慢性の経過を辿り,不可逆的な肺や気道の破壊がその形態学的背景となっているので,慢性閉塞性肺疾患では,リハビリテーションは長い経過のいつの時期にも,治療の重要な軸をなすものである.
本稿では,慢性閉塞性肺疾患の概念およびその疾患について,最近の知見を加えて解説し,それらのリハビリテーションについて,生理学的機序を中心に述べる.
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