Japanese
English
特集 呼吸器疾患のリハビリテーション
慢性閉塞性肺疾患のリハビリテーション
Rehabilitation for Chronic Obstructive Pulmonary Diseases.
芳賀 敏彦
1
Toshihiko Haga
1
1国立療養所東京病院
1Tokyo National Chest Hospital.
キーワード:
慢性閉塞性肺疾患
,
呼吸困難(息切れ)
,
動脈血酸素・炭酸ガス分圧
,
体位排痰
,
呼吸訓練
Keyword:
慢性閉塞性肺疾患
,
呼吸困難(息切れ)
,
動脈血酸素・炭酸ガス分圧
,
体位排痰
,
呼吸訓練
pp.611-624
発行日 1976年8月10日
Published Date 1976/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103603
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はじめに
大気汚染の問題は多くの行政的指導によりいくらかの改善がみられつつあるとはいえ,公害健康被害補償法が次第にその範囲を広げつつある現状よりかんがみ,かかる現象の対象となるいわゆる慢性閉塞性肺疾患の存在はなお大きな問題である.この中の一部すなわち喘息のある例を除くとほとんどが不可逆性の病変を持ちその症状,機能上の変化もまったく正常にもどる例はほとんどない.すなわち患者はこれらの病気を持った以上その病気と共に生活し,できればその進行を少しでも遅らせ,また,これらの疾患の持つ急性増悪を予防しながら生きているのが現状である.だから,これらの疾患のリハビリテーションはすなわちこれらの疾患そのものの一貫した治療といっても過言ではない.リハビリテーションは広く2つの方面から考えられ,1つは医学的リハビリテーションとしてのきわめて限られた特殊な方法を用いての体系であり,もう1つは広くすべての治療方法を含む.かかる疾病を持つ一人間としての総合的なリハビリテーションはどちらかというと後者である.このような不可逆性の疾患では,後者の考えから問題を展開し前者も十分駆使することが必要と思われるので肺理学療法・作業療法だけに限らず総合的に述べてみる.
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