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橋本重治編著「脳性まひ児の心理と教育」
小川 孟
1
1アガペ授産所
pp.257
発行日 1974年3月10日
Published Date 1974/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103116
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この本は昭和42年9月が初版である.編著者の橋本教授はそのはしがきの中で「肢体不自由児養護学校や特殊学級において,脳性まひ児の数がだんだん増加してきている.この傾向は,目下のところ大都市の学校や学級において特に顕著であるが,しかし,これからの全国的傾向となるものと考えてよいであろう」と今日の問題を指摘している.事実脳性まひ児の問題は脳性まひ者の問題へと必然的に進み,教育の分野から職業的,社会的分野における最大の課題へと順調な発育を遂げてしまった.まさに橋本教授が懸念していた「脳性まひ児の教育をどうするかということが,わが国肢体不自由児教育の現下の最大問題であり,一刻も早く取り組まなければならない問題」が,そのまま昭和49年を迎えて脳性まひ者のリハビリテーションの問題として提起されているのである.
著者は,編者でもある橋本教授をはじめとして,すべて東京文理科大学または現在の東京教育大学の教育学,心理学出身者で,その多くが肢体不自由児養護学校などで脳性まひ児と身近に接した経験を持っている.
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