巻頭言
早期リハビリテーションは脳卒中後遺症患者にどれだけ役立っているか
杉山 尚
1
1東北大学医学部温研内科
pp.5-6
発行日 1974年1月10日
Published Date 1974/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103080
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長い間,多数の脳卒中後遺症患者のリハビリテーション(以下リハと略記)を手がけていると,多かれ少なかれ基礎疾患というリスクを持ち,しかも老齢者の多い本症患者において,私どものやっているリハ・サービスが果たしてどれだけ患者のためになっているか,患者の幸福につながっているか,という疑問をもつことがしばしばある.特にリハ中に再発例にあったり,予後調査で多くの死亡例にあったりすると,むしろ,そっとして延命のみを目標とした管理に専念してやるのが,患者のためになるのではないか,とつい弱気になることがある.
私どもが函館市でリハの立場から脳卒中後遺症患者のfollow upを始めてから7年になるが,この労多い仕事の目的の一つには,これを私どもの病院に入院してリハ・サービスを受けた本症患者と比較してみることにより,この問題の全般的把握ができると考えたからである.
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