Japanese
English
特集 対麻痺のリハビリテーションⅢ
脊髄損傷患者の夏季における放熱障害
A survey of heat congestion in patient with spinal cord injury.
緒方 甫
1
Haime Ogata
1
1水俣市立病院附属湯之児病院理学診療科
1Rehabilitation center, Minamata municipal hospital.
キーワード:
脊髄損傷
,
放熱障害
,
体温調節
Keyword:
脊髄損傷
,
放熱障害
,
体温調節
pp.816-820
発行日 1973年8月10日
Published Date 1973/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102992
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【抄録】脊髄損傷患者(頸髄損傷(C)13名,胸髄損傷(D)8名,腰髄損傷(L)13名)の不汗部位を持つことによる夏季の放熱障害について観察した.28~31℃段階ならびに35℃環境の環境気温下にて口腔温,皮膚温,呼吸数,脈拍数をしらべた.うつ熟障害はCが最もひどく,Dがこれにつぎ,Lが最も軽い.口腔温が38℃に上ることはあるが,それ以上への上昇は殆んどおこらない.この程度の口腔温上昇では暑苦を訴えることはほとんどなかった.体温の日内変動は健常者に比して著しく不規則を示す.しかも最高と最低の幅が大きいものが多い.このような患者での対暑反応としては呼吸数の増加と皮膚温上昇の傾向がみられた.健常に残っている皮膚面での発汗の代償性亢進は損傷部がどこであっても現われていない.
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