Japanese
English
研究
頸髄損傷者における運動中の簡易的な頸部冷却剤による運動後の深部温度上昇抑制の可能性探索
Effect of simplified neck cooling during exercise on preventing post-exercise core temperature increase in individuals with cervical spinal cord injury
谷口 佑香
1
,
上田 ほのか
2
,
後藤 早希
3
,
窪 優太
4
,
林 浩之
4
Yuka Taniguchi
1
,
Honoka Ueda
2
,
Saki Goto
3
,
Yuta Kubo
4
,
Hiroyuki Hayashi
4
1八千代病院
2中部ろうさい病院
3鈴鹿回生病院
4星城大学
キーワード:
体温調節
,
運動
,
脊髄損傷
Keyword:
体温調節
,
運動
,
脊髄損傷
pp.306-311
発行日 2025年3月15日
Published Date 2025/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091513540590030306
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Abstract:頸髄損傷者は体温調節障害が生じるため,運動時においては深部体温上昇を抑制する方策が必要である.本研究の目的は,頸髄損傷者における運動中の簡便な頸部冷却が運動後の深部体温上昇を抑制できるか確認することである.対象者は頸髄損傷者17名であった.対象者を頸部冷却群と非冷却群に無作為に割り付けた.対象者の頸部に簡易的な頸部冷却剤を巻き付け,直後に10分間の車いす駆動を指示した.運動直後およびその後1分ごとに10分間の鼓膜温を計測することによって運動後の深部温度変化を記録した.両群ともに運動直後から徐々に鼓膜温は上昇した.反復測定分散分析の結果,冷却群と非冷却群には交互作用はなく(F=0.778,p=0.65),体温上昇の程度は同様であった.頸髄損傷者においては,運動中の簡易的な頸部冷却剤では運動後の深部体温上昇を抑制できない可能性が示唆された.他の対策を考慮するとともに今後の研究による効果検証が望まれる.

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