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特集 対麻痺のリハビリテーションⅢ
脊髄損傷性対麻痺患者の心理的問題―心理検査の適用による調査の試み
Psychological problems of paraplegia: a tentative application of the psychological tests
大羽 蓁
1
Shigeru Oba
1
1岡山大学心理学研究室
1Department of Psychology, Okayama University.
キーワード:
脊損者心理
Keyword:
脊損者心理
pp.791-795
発行日 1973年8月10日
Published Date 1973/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102987
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【抄録】脊髄損傷患者の職業的リハビリテーションに関する委員会(代表:岡山大学児玉俊夫教授)の調査研究の一環として遂行した心理学的諸検査の結果をめぐって,臨床心理と産業心理の立場から総合的アセスメントが試みられた.訓練施設在所中に職業適性検査,Y-G性格検査,クレペリン作業検査,就業後にWEPS,SIV,CAS,MPIおよび個別面接を実施した.職業適性は良好とは言えないが,作業の習熟に伴う能力向上の可能性が認められる.情緒安定・適応・積極型に近い性格者が比較的多く,職場環境に対する意思レベルもきわめて高い.不安得点は正常成人と同程度であるが,入所1年半頃に有意な増大が認められた.神経症傾向得点も一般的に正常成人と同様である.しかし女子の個人差が著しい点に特徴がある.以上のことをめぐってparaplegiaの就職に関する心理学的諸問題が示唆された.
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