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講座
筋収縮のメカニズム(2)―筋肉の組織学的特徴,微細構造について
Mechanism of mascular contraction (2)
大井 淑雄
1
Yoshio Ooi
1
1自治医科大学整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, Jichi Medical School.
キーワード:
平滑筋
,
横紋筋
,
心筋
,
フィラメント
Keyword:
平滑筋
,
横紋筋
,
心筋
,
フィラメント
pp.756-760
発行日 1973年7月10日
Published Date 1973/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102977
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筋肉系は第一義的には運動系と解釈されるが脊椎動物では3つの種類に分類される.すなわち1)内臓器官の自律的運動を司る平滑筋smooth muscle, 2)四肢体幹の随意運動を司る横紋筋striated muscle, 3)心臓の収縮を司る心筋cardiac muscleの3つである.これらはまた組織学的特徴をもそれぞれ有しているが本質的には収縮蛋白などの点から見れば同じものと見倣すことができる.電子顕微鏡などを用いた形態学的観察でも最少収縮単位は太いフィラメントthick filamentと細いフィラメントthin filamentであるし,蛋白化学的に抽出されたものについても上述のすべての筋肉について本質的には同じである.これ以後は特にことわりなけれは代表的な筋肉としての横紋筋について主として話を進めたいと思う.
筋肉は人間では生下時体重の25%,成人では体重の40%強を占めその数も400以上が数えられている.1つの細胞単位注1と考えられる筋細胞(筋線維,muscle fibre)は長さ数mm位のものから100mm以上注2のものまで筋肉の種類により異なり,直径も眼輸筋などのように20μ内外の小さなものから大殿筋の100μ近いものまである.
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