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編集後記
鹿
pp.1088
発行日 2005年11月10日
Published Date 2005/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102806
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QOLの語が最初に本誌に登場したのは1984年ですから20年以上前になります.その年の4月号特集「クオリティ・オブ・ライフ(QOL)」で上田敏先生は,「…ことにわが国では,高度経済成長の時代が終わる頃から,『生活の量的向上が一段落したのだから,今後は質的向上をめざすべきだ』というような問題意識とともにこの語が使われはじめた….リハビリテーションや障害者運動の分野でも,ほぼ同じ頃から障害者の「ライフ」(生命,生活,人生)の質の向上と充実の重要性を強調するためにこの語が使われるようになった.…」とし,「ADLからQOLへというリハビリテーションにおける目標の転換」が述べられています.その後,国の内外を含めリハビリテーションの領域ではさらに研究が進められ,今やQOLはリハビリテーション医学のメインテーマになっています.一方,一般社会はどうか.1980年中頃から90年前半にかけてはQOLどころか一層量的向上に励み,バブルの最盛と崩壊を経験し現在に至るまで,自然も人心も荒廃し,危機的状況は続いています.
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