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編集後記
鹿
pp.804
発行日 2003年8月10日
Published Date 2003/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102708
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障害種類別に考えられることの多い障害者の体力が,本号特集の伊佐地論文では横断的,包括的に捉える試みがなされていて,しかも明解です.障害は「運動障害群」,「運動負荷リスク群」,「発動障害群」に分けられ,運動器障害以外の視覚,聴覚障害や精神障害なども含められます.体力は,筋骨格系などによる「動きの出力」,神経系による「動きの調節」,呼吸循環系による「動きの持続」,免疫系による「全体の環境調節・保持」,精神系による「意欲・希望」の概念で立体的に構成・分類がなされています.この作業のあと改めて「障害者の体力」全体を見直そうという仕組みです.ところでこの体力とはちょっと違いますが,国力が落ちると戦争をしたがり,銀行の体力が落ちたとなると湯水のように税金が投げ入れられ,企業は体力が落ちるとリストラをしたり等々,安易な体力回復策が行われています.本来ならここで社会の構造的な欠陥が見直されるべきだろうと思うのですが,こちらは誰がする?
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