Japanese
English
増大特集 リハビリテーションQ&A
Ⅳ 関節リウマチ,その他の骨関節疾患
30.大腿骨頸部骨折
Diagnosis and treatment for femoral neck fracture and intertrochanteric fracture.
松原 正明
1
Masaaki Matsubara
1
1日産厚生会玉川病院整形外科・股関節センター
1Department of Orthopaedic Surgery, Nissan Tamagawa Hospital
キーワード:
大腿骨頸部外側骨折
,
大腿骨頸部内側骨折
,
深部静脈血栓・塞栓症
Keyword:
大腿骨頸部外側骨折
,
大腿骨頸部内側骨折
,
深部静脈血栓・塞栓症
pp.600-605
発行日 2012年5月10日
Published Date 2012/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102503
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
Q1 大腿骨頸部骨折の診断と分類についてどのようなものがあるか?
1.診断
大腿骨頸部骨折は高齢者の3大骨折のひとつとされ,高齢者の増加に伴い発症も増加している1).一般的には骨粗鬆症を基盤とし,屋内や屋外での転倒など比較的軽微な外傷で発症する高齢者に多いタイプが多くを占めるが,一方で,交通事故や転落などの高エネルギー外傷により発症するタイプもある.診断は,受傷後の歩行困難といった臨床像,特異な肢位(図1)に加えて股関節正面単純X線画像における大腿骨頸部付近の骨折線の確認,もしくは骨の転位により行える(図2).しかしながら軽微な外力により発症した症例のなかには,鼠径部痛がみられても歩行困難を来さなかったり,単純X線画像では診断不可能な症例も存在する(不顕性骨折).このように転倒の既往があるにもかかわらず単純X線画像で骨折が判明しない場合には,MRI撮影が有効であるという報告が多くみられる2)(図3)ため,骨折が疑われる場合にはMRI撮影を行うとよい.
Copyright © 2012, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.