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増大特集 リハビリテーションQ&A
Ⅳ 関節リウマチ,その他の骨関節疾患
24.関節リウマチ
Rheumatoid arthritis:symptoms, diagnosis, medication & surgical intervention.
桃原 茂樹
1
Shigeki Momohara
1
1東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センター整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Institute of Rheumatology, Tokyo Women's Medical University, Tokyo
キーワード:
関節リウマチ
,
DMARDs
,
生物学的製剤
,
T2T
,
Window of opportunity
Keyword:
関節リウマチ
,
DMARDs
,
生物学的製剤
,
T2T
,
Window of opportunity
pp.564-569
発行日 2012年5月10日
Published Date 2012/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102497
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Q1 関節リウマチとはどのような病態か?
関節リウマチ(rheumatoid arthritis;RA)は遺伝的背景と環境因子が複雑に絡み合って発症すると考えられている.何らかの原因で異常な免疫応答が生じ,関節内の滑膜が増殖して炎症の主座となり,毛細血管周囲に抗原提示細胞とT細胞の浸潤,続いてB細胞が浸潤してくる.それにつれて滑膜表層細胞が多層化し絨毛状に形成される.そしてこれら滑膜や関節軟骨よりTNFαやIL-6などのサイトカインが産生され,さらにマトリックスメタロプロテアーゼなどの蛋白分解酵素が誘導されて,パラクライン(paracrine)とともにオートクライン(autocrine)的に軟骨組織の変性や骨の破壊へと病態が進行する.男女比は1:3~4で女性に多く,すべての年代で発症するが,特に40~50代で発病する割合が多いようである.症状も単(寡)関節から多発性に関節が障害され個人差が非常に大きく,時には血管炎,シェーグレン症候群,リウマチ肺,発熱といった関節外症状も合併する.通常は全身性の関節障害を来し,肩,肘,手関節,手指,股関節,膝,足関節,足趾などさまざまな関節が障害される.また,朝のこわばりが特徴的症状で,RAと診断されれば障害された関節はRA由来と考えて対処するほうがよい.
治療は全身の炎症を抑えるための薬物治療が基本であるが,近年さまざまな新薬の登場でその治療薬は大きく変化している.特に病勢の強い早期の症例に対する薬物の選択は重要であり,メトトレキサート(MTX)や生物学的製剤を早い時期から考慮する必要があるという多くのエビデンスが報告されている.
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