Japanese
English
症例報告
ランゲルハンス細胞組織球症によるデコンディショニングに対して運動療法を行い改善のみられた1例
Effect of physical therapy on a patient with Langerhans cell histiocytosis.
春山 幸志郎
1
,
川上 途行
1
,
熊井 初穂
1
,
大塚 友吉
1
Koshiro Haruyama
1
,
Michiyuki Kawakami
1
,
Hatsuho Kumai
1
,
Tomoyoshi Otsuka
1
1独立行政法人国立病院機構東埼玉病院リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation, NHO Higashi-Saitama National Hospital
キーワード:
ランゲルハンス細胞組織球症(LCH)
,
デコンディショニング
,
運動療法
Keyword:
ランゲルハンス細胞組織球症(LCH)
,
デコンディショニング
,
運動療法
pp.177-180
発行日 2012年2月10日
Published Date 2012/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102378
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はじめに
ランゲルハンス細胞組織球症(Langerhans cell histiocytosis;LCH)は,組織球系細胞の一種であるランゲルハンス細胞の非腫瘍性増殖と好酸球・リンパ球などの浸潤を伴った肉芽腫形成を病理学的特徴とする原因不明の疾患である1).症候には,肺浸潤,骨病変,皮膚発疹のほか,肝臓,造血,内分泌の機能不全などがある.病型分類として単臓器単病変のSS(single-system single-site)型,単臓器多病変のSM(single-system multi-sites)型,多臓器多病変のMM(multi-system multi-sites)型に区別される2).年齢別にみると,3分の2は小児(特に乳幼児)に,3分の1は成人(20~30歳代に好発)に発症する2).成人での発生率は100万人当たり1~2人と推定されている3).
これまでLCH患者においてリハビリテーションを行い,効果を報告したものは渉猟しえたなかでは見当たらない.今回われわれは,歩行障害を主訴とするLCHの1症例に入院による1か月間の集中的なリハビリテーションを行い,機能の改善を得たので報告する.
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