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研究と報告
Functional Reach Testにおける動作戦略の検討―高齢者と大学生による動作戦略パターンの比較
Characteristic of movement strategies in Functional Reach Test;comparison of movement strategy patterns in elderly persons and university students.
高崎 恭輔
1,2
Kyosuke Takasaki
1,2
1関西医療大学保健医療学部臨床理学療法学教室
2大阪医科大学衛生学・公衆衛生学教室
1Clinical Physical Therapy Laboratory, Kansai University of Health Sciences
2Department of Hygiene & Public Health, Osaka Medical College
キーワード:
Functional Reach Test
,
動作戦略
,
パターン分析
Keyword:
Functional Reach Test
,
動作戦略
,
パターン分析
pp.1081-1088
発行日 2011年11月10日
Published Date 2011/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102270
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要旨:〔目的〕Functional Reach Test(FRT)は,立位におけるバランス能力の評価指標として広く使用されているが,その到達距離と転倒との関連についてはさまざまな意見があり,有用性が明確であるとは言えない.そこで本研究では,従来の到達距離の評価に加え,FRTの動作戦略の分析を検討することを目的とした.〔対象〕対象は,健常な大学生83名と高齢者128名とした.〔方法〕各対象にFRTを行わせ,動作パターンの分析を行った.分析は,FRT動作中の股関節,足関節の矢状面上の運動方向を確認し,大学生と高齢者で比較した.〔結果〕高齢者では股関節屈曲と足関節底屈を行うパターンが多いのに対し,大学生では足関節背屈を行うパターンが増大した.〔結語〕高齢者では重心を基底面の中心に保持させようという戦略を用いるのに対し,大学生では重心を基底面の前方へ変位させながら到達動作を行う傾向がみられた.今後は,FRTの動作パターン分析による運動機能の評価を検討していきたいと考えている.
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