Japanese
English
研究と報告
mirror box課題における運動イメージ想起の関与が体性感覚野に及ぼす影響
The change in excitability of the somatosensory area during motor imagery in the observation of self-movement with a mirror box.
長谷川 隆史
1
,
佐賀里 昭
2
,
田中 浩二
2
,
磯 直樹
3
,
田平 隆行
4
Takashi Hasegawa
1
,
Akira Sagari
2
,
Kouji Tanaka
2
,
Naoki Iso
3
,
Takayuki Tabira
4
1医療法人和仁会和仁会病院リハビリテーション科
2長崎大学医学部保健学科
3三原台病院リハビリテーション科
4西九州大学リハビリテーション学部
1Department of Rehabilitation, Wajinkai Hospital
2Graduate School Biomedical Science, Nagasaki University
3Department of Rehabilitation, Miharadai Hospital
4Faculty of Rehabilitation Sciences, Nishikyushu University
キーワード:
mirror box
,
運動イメージ
,
長潜時体性感覚誘発電位
Keyword:
mirror box
,
運動イメージ
,
長潜時体性感覚誘発電位
pp.1075-1079
発行日 2011年11月10日
Published Date 2011/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102269
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要旨:片麻痺患者に対する治療法の1つとしてmirror box therapyがある.本研究の目的は,体性感覚野の活動性の変化からmirror box課題(MB課題)中の運動イメージ想起の関与について検証することである.右正中神経を電気刺激し,左CPc(central parietal cross)からSEP(somatosensory evoked potential)を健常成人11名から導出した.実験条件は,左手の全指屈伸動作を実行しながら,①運動イメージ想起の有無,②鏡像観察の有無を,それぞれ組み合わせた合計4条件とし,SEPの短・長潜時成分の振幅を各群間で比較した.長潜時成分において運動イメージ想起による主効果が認められ,鏡像観察ありの条件下で運動イメージ想起した際に有意な振幅の増大が認められた.その他の条件や短潜時成分における有意差は得られなかった.このような長潜時における変化から,鏡像観察し,運動イメージ想起を付加することにより,実際の随意運動時と類似した疑似的体験が得られ,それに伴う運動感覚入力系に影響を及ぼし,体性感覚野を賦活していることが示唆された.
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