Japanese
English
特集 内科疾患の運動療法―課題と展望
心臓・末梢血管疾患
Cardiovascular disease.
牧田 茂
1
Shigeru Makita
1
1埼玉医科大学国際医療センター心臓リハビリテーション科
1Department of Cardiac Rehabilitation, Saitama International Medical Center, Saitama Medical University
キーワード:
心臓リハビリテーション
,
心臓リハビリテーション指導士
Keyword:
心臓リハビリテーション
,
心臓リハビリテーション指導士
pp.528-534
発行日 2011年6月10日
Published Date 2011/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102091
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はじめに
心臓,大血管ならびに末梢血管疾患を対象とする心臓リハビリテーションは,多くのエビデンスが確立されており,欧米では広く行われているが,わが国はまだその普及が立ち遅れているのが現状である.2000年度から実施されている特定保健指導でターゲットになっているメタボリックシンドロームであるが,この取り組みは動脈硬化性疾患の発症予防を目的としている.そのためには,生活習慣改善が重要であり,身体活動を増やし運動習慣を獲得し,さらに食事習慣の改善ならびに禁煙に対する働きかけが対策として挙げられている.このように考えると,心臓リハビリテーションのアプローチは,メタボリックシンドロームへのアプローチと全く同じであるということがわかる.
心臓リハビリテーションの目的とするところは,動脈硬化性疾患の再発ならびに増悪予防(二次予防)のみならず,発症予防(一次予防)も含んでいることを強調したい.さらに,運動療法を中心とするアプローチは,動脈硬化悪化を防ぎ,体力レベルの維持・向上を目指しており,自立した生活の維持を通じてQOL(生活の質)向上をも含んでいる.したがって,高齢化社会に向かうわが国にとって重要な本質的治療法と言える.
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