Japanese
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報告
Timed Up & Go Testに認知課題を付加した場合の動作遂行時間への影響―転倒群と非転倒群での比較
Influence on the execution time of operation on Timed Up & Go Test in addition to cognitive task:comparison in fall group and non-fall group.
森下 将多
1
,
島岡 秀奉
1
,
藤本 弘昭
1
Shouta Morishita
1
1医療法人仁生会細木病院
キーワード:
TUG
,
二重課題
,
転倒
,
高齢者
Keyword:
TUG
,
二重課題
,
転倒
,
高齢者
pp.259-264
発行日 2013年3月15日
Published Date 2013/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551106233
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要旨:[目的]転倒リスクを評価する方法として,Timed Up & Go Test(以下,TUG)と併用した二重課題の有用性が報告されている.今回,遂行機能に着目し,TUGに独自で考えた認知課題を付加した連続的な二重課題(D-TUG)を実施し,転倒との関連を検討した.[対象]対象は,当院に入院または外来や通所にてリハビリテーションを実施している方で,屋内歩行が独歩または杖歩行にて自立している60名(転倒群30名,非転倒群30名)とした.[方法]運動機能評価として,10m歩行テストとTUGを実施した.認知機能評価として,RDST-Jを実施した.運動および認知機能を複合して評価する目的として,従来のTUGに左右のどちらに回るかを判断する認知課題を加えたD-TUGを実施した.[結果]転倒群と非転倒群で比較して,年齢,10m歩行テスト,TUG,RDST-Jでは有意差は認められなかったが,D-TUGは転倒群が有意に時間を要する結果であった.[結語]今回の研究から,連続的な二重課題が転倒リスクの評価として有用であり,遂行機能との関連が示唆された.また,今回の二重課題は,運動機能や認知機能の単課題では遂行機能の低下が少ない高齢者を対象に用いることで,より有効な評価方法として活用できると言える.
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