特集 病院のサステナビリティ―事業継承を考える
自治体病院における病院長像とその決定プロセス
邉見 公雄
1,2
1社団法人 全国自治体病院協議会
2赤穂市民病院
キーワード:
自治体病院
,
病院長像
,
大学医局
,
人材確保・育成
,
医療マネジメント
Keyword:
自治体病院
,
病院長像
,
大学医局
,
人材確保・育成
,
医療マネジメント
pp.593-595
発行日 2010年8月1日
Published Date 2010/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101749
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今回私に与えられたテーマは「自治体病院の院長決定プロセス」というものである.私自身は副院長からの持ち上がり,つまり昇任である.一番多いタイプであろう.院長を補佐し,経営や人事などに問題がなければ,前任の院長が開設者に了解を得るのみで決着し,最もスムースな引き継ぎが期待される禅譲的な人事である.
次に多いのは,大学医局の意向が強いケースである.よく「あの病院は○○大学系だ」と言うことがあるが,その自治体病院に医師を派遣している大学病院の幹部が適任者を選び,送り込む方式である.退官教授や定年近い教授,教授選に敗れた人などを送り込むことが多い.また,他病院から横滑りの場合もある.この場合は,その病院で院長になるチャンスがなくなったり,かなりの長い期間院長が空席となるのを待つような場合である.稀に開設者や院長が,特定の人物や診療科に院長就任をお願いすることもある.例えば,「A教授には若い頃に部長として病院に貢献いただいており,退官後はぜひお迎えしたい」「ピンチのB診療科再建のためによいトップをお送りください」などである.その際,院長だけでなくその診療科の人事もお願いする場合が多い.院内に適任者がいない,あるいは実力伯仲の候補者が複数いる場合なども,こういうことになることもある.
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