スコープ
リハビリテーション治療を終えた脳卒中患者の再治療で77%がさらに改善―私が麻痺回復術を批判するわけ
三好 正堂
1
1浅木病院リハビリテーション科
pp.897-902
発行日 2010年9月10日
Published Date 2010/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101861
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わが国の脳卒中のリハビリテーションは,ガイドライン1)もでき新しい時代を迎えたかにみえる.しかし最近,不十分なリハビリテーションを受けている症例が少なくないと感じている.そこで今回,十分な期間リハビリテーションを受けた症例で,その後,当院(浅木病院)で再治療した脳卒中例について治療成績を検討してみた.その結果,歩行で60%,日常生活動作(ADL),嚥下,気管切開を含めると,実に77.1%で有意な改善が得られた.これは信じがたい数字である.
原因はそれまでのリハビリテーションの内容に問題があると筆者は考えた.最近,CI法(constraint-induced movement therapy)をはじめ麻痺回復術が再び行われる傾向があるが,懸念されるのは,そのため真に必要な治療を行う時間がなくなり,回復が不十分になることである.今回の調査では,それを裏付ける結果が得られた.
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