特別企画 Master's Case File◆心に残った症例
脳卒中+糖尿病患者さんの血糖が改善した理由(わけ)
北西 史直
1
1トータルファミリーケア北西医院
キーワード:
脳卒中後うつ
,
健康行動
,
体重測定
Keyword:
脳卒中後うつ
,
健康行動
,
体重測定
pp.411-412
発行日 2013年5月15日
Published Date 2013/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415101529
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症例の紹介
私がリハビリテーション病院に勤務していた約10年前の話である.70歳前後の男性で,脳梗塞・右片麻痺を発症し,急性期病院を経て,回復期リハビリテーション病棟のある当院に転院となった.麻痺は重度であったが,リハビリテーションにより右上肢は補助手に,歩行は介助歩行レベルにはなった.HbA1c(以下すべてJDS値)は7.8%,単純性網膜症,顕性蛋白尿,下肢腱反射減弱など初期の合併症を伴う糖尿病であった.認知機能に問題はなく,奥様を交えて,糖尿病と食事療法の指導を行った.当時はSU薬がファーストチョイスであり,アマリール® 1 mg内服より開始した.退院後はかかりつけもないため,当院の外来でフォローすることになった.
外来では2カ月に1回程度のHbA1cの測定を行ったが,HbA1cはいったん7%前後に下がったものの,7.5%,8%,8.5%と上がっていった.そのたび「食事は気をつけている.間食もしていない.」との返事であった.アクトス®を加え,ベイスン®を加え,アマリール®を3mgに増量など内服薬を増やしていったが,HbA1cは下がる気配がなかった.
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