巻頭言
リハビリテーション医学に対する批判
緒方 甫
1
1産業医科大学リハビリテーション医学講座
pp.627
発行日 1978年9月10日
Published Date 1978/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104033
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日本リハビリテーション医学会が誕生し,大阪にて第1回の総会が開催されて以来,はやくも15年目をむかえた.その間,リハビリテーション関係者の努力により,徐々ではあるが,リハビリテーション医学に対する評価も高くなりつつあることは喜ばしいことである.
その反面,現在でも,未だに,私自身が直接聞いた範囲内でも,リハビリテーション医学に対する誤解や批判もあることは否定できない事実であり,真に残念なことである.その代表的なものを2,3紹介すると,(1)リハビリテーション医学には医師は不要であり,PT,OTなどのスタッフが確保できれば治療が可能であり,リハビリテーション専門医と称する者が存在すると,かえって治療プログラムの進行を阻害する因子となる.(2)リハビリテーションは他の臨床各科の治療が終了した時点から開始すべきものであって,リハビリテーション診療には看護婦は必要としない.(3)理学療法部のスタッフとして,マッサージ師を確保すべきである.(4)病院にリハビリテーション専用ベヅドをつくると,入院期間が長いので,稼動率が悪くなり,病院経営に支障をきたす,など多くのものがある.
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