外科医局の午後・31
私が医者になった理由(わけ)
岡崎 誠
1
1市立伊丹病院外科
pp.625
発行日 2007年5月20日
Published Date 2007/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101769
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- 文献概要
人生50年を超え,とうに折り返し地点を過ぎた.ふと自分の人生を振り返ってみて,自分はなぜ医者になったのだろうかと考えてみた.また今度生まれ変わっても,医者を志すだろうか.医者という職業を選択していなかったら私の人生は大きく変わっていただろうと思われる.
私が医学部受験を決めたのは高校3年の夏休みであった.私の家は親が医者でもなく,それまではまったくその気はなかった.ただ母親の親戚に長年続いた医者の家系があり,そのうちの1人から「今,親戚で医者になれそうなのは君くらいだから,ぜひ医学部を受験したら」と勧められた.親からの勧めもあり,その気にさせられて医学部受験に変更した.あれがなかったら今はまったく違う人生を歩んでいたと思うと,人生とはいかに簡単に変わるものかとつくづく思う.18歳で医者を志し,幾多の紆余曲折を経て26歳で晴れて医者になった.なぜ外科を選択したかは別稿にゆずるとして,今から考えると「なぜ医者になったか」と問われると,進路を決めた時の一瞬の気持ちとしか言いようがない.
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