特集 活性酸素シグナル制御とレドックスホメオスタシス
Cell Tech Eye NO・活性酸素ドナー化合物の最前線
中川 秀彦
1
1名古屋市立大学 大学院薬学研究科薬化学分野
キーワード:
レーザー
,
Nitrobenzenes
,
活性酸素
,
光分解
,
分子構造
,
Nitric Oxide Synthase
,
一酸化窒素
,
Peroxynitrous Acid
,
Nitrobenzo(a)pyrenes
Keyword:
Lasers
,
Nitric Oxide
,
Nitrobenzenes
,
Photolysis
,
Molecular Structure
,
Reactive Oxygen Species
,
Nitric Oxide Synthase
,
Peroxynitrous Acid
pp.194-195
発行日 2012年1月22日
Published Date 2012/1/22
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- 文献概要
一酸化窒素(NO)や活性酸素(reactive oxygen species;ROS)の生体機能研究において,ドナー化合物はプローブ化合物と対をなす小分子ツールと言える.NOやROSには取り扱いが困難なものが多く,細胞や組織での働きを検討する場合にドナーが力を発揮する.これまで多くのドナーが開発され,NO・ROSの機能解明に役立ってきたが,先進的なNO・ROSドナーとして,光照射で発生のON/OFF制御を行える化合物の開発が進んでいる.組織や細胞でNOはNO合成酵素(NOS)により産生され,様々に制御されている.このような生物学的なNO放出を自発分解型の古典的なドナーで実験的に再現するのは難しい.光制御可能なドナーであれば,系の外から活性を制御することでNO投与の時間的・空間的調節が容易に実現でき,生物学的なNO生成を再現することも可能になる(図.このような高い機能性を期待して光制御型ドナーが開発されている.
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