Japanese
English
特集 神経因性膀胱の話題
各疾患における神経因性膀胱
認知症
Lower urinary tract function in dementia.
榊原 隆次
1,2
,
内山 智之
2
,
岸 雅彦
1
,
山本 達也
2
Ryuji Sakakibara
1,2
,
Tomoyuki Uchiyama
2
,
Masahiko Kishi
1
,
Tatsuya Yamamoto
2
1東邦大学医療センター佐倉病院内科学神経内科
2千葉大学大学院医学研究院神経内科学
1Neurology Division, Department of Internal Medicine, Sakura Medical Center, Toho University
2Department of Neurology, Graduate School of Medicine, Chiba Univresity
キーワード:
認知症
,
高齢者
,
過活動膀胱(OAB)
,
中枢性抗コリンエステラーゼ薬
,
末梢性抗コリン薬
,
機能性尿失禁
Keyword:
認知症
,
高齢者
,
過活動膀胱(OAB)
,
中枢性抗コリンエステラーゼ薬
,
末梢性抗コリン薬
,
機能性尿失禁
pp.1023-1027
発行日 2009年11月10日
Published Date 2009/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101632
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はじめに
認知症を有する高齢者は少なくない.介護保険における要介護・要支援認定者(認知症,または歩行障害のいずれかを有する者)は非常に多く,2008年1月時点で461万人とも言われる.認知症の原因疾患として,アルツハイマー病,レビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies;DLB),多発梗塞性認知症(多発性脳梗塞)が多く,このうち,アルツハイマー病(変性疾患)と多発性脳梗塞(動脈硬化性疾患)の合併も少なくない.一方,過活動膀胱(overactive bladder;OAB)を有する高齢者も少なくない.OABは,尿意切迫感,頻尿を主体とする症候群であり,人口の12.4%にみられると推定され,年齢とともに増加する.2005年に「過活動膀胱診療ガイドライン」が刊行され1),2006年に保険病名として収載された.OABはその原因疾患により,神経因性と非神経因性に分類され多因子性である.前者の場合は,DLB2),多発性脳梗塞3)などによる膀胱自律神経障害が主要な原因の一つと考えられる4).
本稿では,OABを有する高齢認知症患者とその治療を中心に述べる.
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